離岸流にご注意を!
夏休みも半ばを過ぎて、「最後の夏の思い出に!」と海へ出かける方も多いかと思います。
毎年、夏場は海の事故が相次ぎますが、事故原因の中でも意表を突かれるように巻き込まれる危険が高いのが「離岸流」です。
離岸流のメカニズムを説明すると、
①波が沖から海岸へ、次々と打ち寄せます。
②波によって岸に押し寄せた海水は、いつまでも留まっていられないので、どこかから沖に戻ろうとします。
③この時、あるポイントで、岸から沖の方へ向かって海水が戻ろうとすることによって、一方的に流れる速い流れが発生します。
これを「離岸流」と言います。
離岸流は、毎秒2mほどの速さで、岸からの長さは数10mから長いもので数100mになるものもあります。 しかし幅は10~30mと、それほど広くありません。
離岸流の仕組み(第9管区海上保安本部海洋情報部ホームページより)
離岸流の恐ろしいところは、気付かずに流れに乗ってしまうと、見る見るうちに沖合まで流されてしまうことです。
こうなると、岸に向かって必死に泳いでも流される一方なので、いたずらに体力を消耗するだけです。
そこで、もしも離岸流に巻き込まれて沖合まで流されそうになったら、岸を目指すのではなく、岸に向かって平行に泳いで移動してください。
先ほど紹介した通り、離岸流は、どんなに幅が長くても30mを超えることは、まずありません。
沖へ流される波の力が弱くなったら、離岸流から脱出できたと判断できますので、あらためて岸に向かって泳いでください。
では、こうした離岸流に巻き込まれないようにするには、どうすればいいのか?
実は、離岸流が起きる場所は、ある程度、見分けることが出来ます。
ポイントは3つ。
・海岸が外洋に面しているところ(太平洋や日本海など)
・遠浅で、海岸線が長いところ
・近くに人工構造物があるところ
3つ目の「人口構造物」ですが、具体的には、港の突堤や防波堤、さらに「ヘッドランド」と呼ばれる人口岬などの近くでは、離岸流が発生しやすいようです。
また、他と比べて海岸線が異様に後退している場所も、離岸流が発生しやすい場所として要注意です。
正式な海水浴場では、こうした危険箇所は遊泳禁止になっていたり、そもそも最初から遊泳できる海水浴場に指定されていないので、くれぐれも自己判断で勝手に泳いだりしないようにしてくださいね。