防活しようぜ!

防災番組に取り組んで10年。その過程で得た知識や経験をドンドン発信していきます!

千葉県の停電被害から考えること

台風15号による千葉県の長期間にわたる停電被害は、あらためて現代文明の脆さを痛感させられた気がします。

この件では、千葉県の初動の遅さなどが指摘されて批判も出ているようです。

mainichi.jp

まあ責任の追及も必要でしょうが、まずは今回の問題点をしっかり検証して、将来の災害への教訓とすることも大事でしょう。

 

特に夏場の停電は、熱中症のリスクなどに直結するだけに、今後どのように対応していくかが重要です。

 

さすがに個人で発電機を買って備えておくというのは、なかなかに難しいでしょう。

停電が長期間に渡る場合に備えて、燃料を大量に備蓄しておく必要が出てきますし、そもそも停電だけならまだしも、地震などによってガソリンなどの供給がストップしてしまう事態になれば、燃料の確保すら難しくなります。

 

市販されている手動発電機などでは、どんなに頑張って蓄電しても、せいぜいスマホの充電が出来るくらいでしょう。

 

非常食や飲料水、救急セットなどは、個人レベルでも準備は可能ですが、電気だけはまとまった量を安定的に確保するのは、個人ではほぼ不可能です。

 

将来的には、すでにスマホなどで実用化されている、電波を電力に変換する方法での給電システムの普及も考えられるでしょうが、あくまでも先の話です。

 

この問題への対応策については、引き続き注意を払って情報を集めていきたいと思います。

災害の後の注意事項 「通電火災」に気を付けましょう!

台風15号による被害で長期間の停電が続いている千葉県ですが、電力の復旧後に注意が必要なのが「通電火災」です。

すでに数カ所で、火災の報告が上がっているようです。

 

「通電火災」とは、災害によって停電した後、電気が復旧した時に起きる火災のことです。

今回のような台風や大地震などの災害が発生すると、電柱が倒れたり送電線が切れるなどの原因で、停電が発生することがあります。

その後、早ければ数時間、時間がかかれば数日から数週間後には電力が回復しますが、この時、倒れたりした電気器具(ヒーターなどの暖房器具)や、破損した電気配線に通電すると、そこから火災が発生することがあります。

また、ガスが漏れているところで通電すると、引火して火事に発展する場合もあります。

こうした要因で起きる火災を「通電火災」と言います。

 

阪神・淡路大震災では、原因が特定された建物火災の約6割が通電火災によるものだったという調査結果もあります。

 

通電火災が起きるもう一つの要因は、家屋の全壊や半壊で住んでいた人が避難してしまい、誰もいなくなったところで電力が復旧した結果、上記のような家屋内の破損に対応できずに火災が発生するということです。

 

通電火災を防ぐには、まず日頃から注意することとして、

・ヒーターなど電気を使用する暖房器具のそばに、衣服など燃えるものを絶対に置かない。

・使っていない電気器具のコンセントは抜いておく。

・分電盤(ブレーカー)の位置を事前に覚えておく。

 

そして地震発生した後は、自身や家族の安全を確保してから、次のことに注意しましょう。

・電気器具のスイッチを切って、コンセントを抜いておく。

・石油ストーブを使っている場合は、火が消えているか、確認する。

・避難するときは分電盤(ブレーカー)を必ず遮断しておく。

・電力が復旧してから電気器具を再使用する前に、配線器具の破損ややガス漏れなどが起きていないか安全確認をする。

 

意外と疎かになりがちなことですが、非常に大事なことなので、普段から注意を払っておきましょう。

台風15号による被災地への支援について(千葉県)

先日の台風15号による被害は、未だに関東各地に影響を及ぼしているのはニュースなどでご存知のことでしょう。

電気の復旧も最長で2週間先になるかもという状況下、ボランティアの申し出や支援物資の発送などを考えている方も多いですが、受け入れ態勢がどうなっているのか、今ひとつ判然としません。

 

そこで、公式なものを中心に、被災地支援についての情報を集めてみました。

まずは、被害の多かった千葉県から。

www.pref.chiba.lg.jp

9月13日(金)付で千葉県が発表したボランティアセンター開設のお知らせと、寄付金受け入れ窓口の情報です。

千葉県社会福祉センター内に千葉県災害ボランティアセンターが開設されています。

ボランティアの受付については、地域によって「市内在住者に限る」などの条件があるようなので、詳しくは千葉県社会福祉協議会のホームページから確認してください。

www.chibakenshakyo.com

 

他にも「ふるさと納税」で、各市町村向けの受付が行われているようです。

株式会社トラストバンクが運営している「ふるさとチョイス」の災害支援コーナーでは、今回の台風15号による被災地を中心に災害支援の「ふるさと納税」案件が紹介されています。

www.furusato-tax.jp

災害支援なので、返礼品などは無いそうですが、災害支援とはそういうものでしょう。

興味のある方は、ご利用ください。

 

今後も、最新の情報がありましたら、ご紹介していきます。

 

第35回 防災ポスターコンクールのおしらせ

この7月1日(月)から「第35回 防災ポスターコンクール」の応募受付が始まっています。

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第35回防災ポスターコンクール

このポスターコンクールは、内閣府が主催しているもので、応募部門は

1、幼児・小学1・2年生の部
2、小学3~5年生の部
3、小学6年生・中学1年生の部
4、中学2・3年生の部
5、高校生・一般の部

の5部門が設けられています。

 

募集作品は、

1、地震津波、火山噴火、台風、豪雨、豪雪などの自然災害を対象とした「防災」に関するもの。

2、これらのテーマを連想させる標語を入れた個人の作品で未発表のもの。
3、「幼児・小学1・2年生の部」、「小学3~5年生の部」は、標語のない絵画だけでも可。

という条件を満たしている作品です。

応募期間は、10月31日(木)(当日発送分まで)となっています。

 

作品の審査と結果発表は、この11月から12月の間で、防災専門家などから成る審査委員会によて審査を経て、以下の賞が選ばれます。

1、防災担当大臣賞・・・各部門から1名

2、防災推進協議会会長賞・・・各部門から1名

3、審査員特別賞・・・ 1名程度
4、佳 作・・・10名程度

5、入 選・・・200名程度

この内、「防災担当大臣賞」、「防災推進協議会会長賞」、「審査員特別賞」の受賞者は、東京で開催される表彰式で症状を授与されます。
それ以外の受賞者は、賞状などの送付をもって表彰に代えるそうです。

 

優秀作品は「防災白書」の表紙、防災意識啓発のための各種ポスター、パンフレットなどに活用されるそうですよ。

 

詳しいお問い合わせや、作品の応募先は、

〒555-0044 大阪府大阪市淀川区百島1-3-78

「第35回 防災ポスターコンクール」事務局

TEL:06-6476-7335(受付時間:平日9時~12時 13時~17時)

 

絵心に自信のある方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

水難事故を防止するために

今月7日(土)に大阪府高槻市で発生した水難事故ですが、重体だった女の子が亡くなり、先に亡くなった祖父と男の子を加えて、死者3人となる痛ましい事故となりました。

mainichi.jp

川の中に作られた「落差工」という構造物の下付近に、長年の摩耗で深さ2mほどの窪みが出来ていたようで、この窪みで溺れたことが事故の原因のようです。

 

警察庁がまとめた、今年度の夏期の水難事故のよる死者・行方不明者の状況を見ると、一番多いのが「海」で、50.6%と半分近くを占めます。
その次に多いのが「河川」で、38.5%になります。

過去5年間の統計と比べると水難事故の発生件数は減少傾向にあるそうですが、だからといって気を緩めていいというものではありません。

 

水難事故が起きた時の状況に関する統計を見ると、水泳や水遊び、釣りなどレジャーにまつわる件数が、全体の61.5%を占めています。

楽しさのあまり、ついつい注意が疎かになっているのかもしれません。

 

そこで今回は水の事故から命を守る6つのポイントをご紹介します。

その① 遊泳禁止区域など危険な場所では遊ばない
「遊泳禁止」の場所は、穏やかに見えても危険が潜んでいるから「遊泳禁止」になっているんです。

今回の高槻市の事故のように水深が急に深くなったり、沖へ強く流される「離岸流(りがんりゅう)」など、危険な場所が多いので、近づかないようにしましょう。

その② 悪天候のときは遊ばない
特に河川では、上流で大雨が降った影響で、下流付近が急に増水することもあるので、注意しましょう。

2008年7月に神戸市灘区の都賀川で発生した水難事故は、まさにこの典型です。

www.kobe-np.co.jp

その③ 子どもだけで遊ばせない
必ず大人が付き添って、子どもから目を離さないようにしましょう。

また今回の高槻市の事故のように大人がついていても、注意書きの看板を軽く見ては、意味がありません。

「危ない」といったら危ないんです。

大人もしっかり自覚しましょう。

その④ 体調が良くないときは泳がない
睡眠不足のときや、お酒を飲んだあと、または飲みながらの水あそびは非常に危険です。

特に飲酒後の水遊びは、飲酒運転と同じで、判断力や運動能力の低下によって確実に危険な状況となります。

絶対にやめましょう!

その⑤ 日焼けや熱中症に注意する。
遊びに夢中になると、ついつい疎かになりがちですが、体調が悪くなってからでは手遅れです。

こまめに休息や水分をとってください。

その⑥ ライフジャケットを着用する
釣りやボート遊びをする時は、必ずライフジャケットを着用しましょう。

また川辺などで遊ぶ場合は、裸足やサンダルは意外と滑りやすいので、水遊び用の滑りにくい靴を履いていくと安心です。

特に子どもさんには、大げさと思わず、しっかりとした装備を身につけさせましょう。


他にも、万が一の連絡手段として、携帯電話を防水パックに入れて持ち歩くのも効果的です。

これらの注意事項を守って、水辺のレジャーを楽しんでください。

警報・注意報が発令される基準とは?

台風や大雨による災害の発生が予想される場合、気象庁が発表するのが、各種の警報や注意報です。

警報や注意報は、雨量や風速など様々な気象要素が、一定の基準に達すると予想される地域に対して発表されます。

また、基準に達していなくても、地震など他の災害が要因で、通常とは異なる基準で特別に発表することもあります。

 

では、通常の基準というのは、全国津々浦々、同じ数値を使っているのでしょうか?

実は、都道府県はもちろん市町村によっても、基準となる数値は違うんです。

例えば、私の地元である大阪府内の市町村の大雨警報の基準値を比較すると

大阪市・・・・・15

堺市・・・・・・16

吹田市・・・・・22

河内長野市・・・15

岸和田市・・・・14

といった具合で、てんでバラバラの数字となっています。

なぜこんなにバラバラになっているのか?

まあ、ちょっと考えればわかる道理なんですが、地域によって同じ降水量や風速でも、災害の起きる確率が違うからです。

例えば、市内を河川が走っているという条件は同じでも、大きな河川が走っている地域よりも、小さい河川が細かく走っているような地域の方が、同じ降水量でも川の増水や氾濫のリスクは高いといえるでしょう。

土砂災害なども、地形や地盤の強度が違えば、土砂崩れなどのリスクにも差がでます。

ですから、そうした様々な地域の事情を考慮して、警報の基準値はここに違っているわけです。

 

いずれにしろ、警報や注意報は、そうした根拠に基づいて発表されるので、「これまで危険なことはなかった」とか「そんなに大したことはないだろう」と自分で勝手に判断せず、正式な情報に従って避難行動をしましょう。

 

「ブラックアウト」が現実になりました

この週明けにかけて関東を襲った台風15号ですが、各地で停電の被害が起きているようです。

特に規模が大きいのが千葉県で、県内各地で電柱が倒れたり、架線に物が引っ掛かったり、果ては送電線の鉄塔が倒れるなどの被害が出ているようです。

www.chibanippo.co.jp

 

さすがに県内全域が停電というわけではありませんが、それでもかなり広範囲の停電という事態となり、あらためて先日ご紹介した「ブラックアウト」が、ほぼ現実になったという感じです。

 

未だ猛暑日が続く中、停電のためエアコンも使えず、冷蔵庫の食品も次々とアウトに。

道路では、信号機が停まり、切れた電線が路上に散乱するなど、危険な状況となっている場所もあるようです。

 

今のところ東京電力は、明日11日中の復旧に向けて作業に取り組んでいるそうですが、これだけの被害規模となると、やはりそう簡単に平常に戻るというのは難しいでしょう。

 

あらためて、こうした事態に備えて、非常用の食品・飲料や生活用品を備えておくことを心がけましょう。